任意売却のメリットデメリットとは?

任意売却のメリットデメリットとは?

一大決心をして購入したマイホームも、転勤やローンの支払いが難しくなるなど様々な理由で手放さなければならなくなるケースもあります。特に資金繰りが悪化して支払いが滞るようになると、場合によっては競売にかけられてしまうこともあります。競売にかかってしまえば相場より低く買われてしまう可能性もあるため、できれば競売が決まる前に任意売却したほうがメリットが大きいと言えます。

 

任意売却とは、不動産会社など専門家が間に立ち、債権者の合意を得たうえでローン残高を下回る額でも物件を売却することができるという取引方法のことを指します。競売は裁判所が関わってくるため強制力が強く、なかなか債務者の希望や融通が利かない手続きになってしまいます。この点、任意売却であれば裁判所など公的な機関が介入してこないため、ある程度債務者の判断や希望が通りやすくなるというメリットがあります。

 

具体的なメリットとしては、まず相場に近い価格で物件を売却することができる点が挙げられます。競売の場合は相場など関係なく、すぐに落札されるような安い価格で売却されるケースが多く、買い手が付いたとしてもローンがかなり残ってしまう可能性が高くなります。こうなると家を手放した後も毎月多額のローンを支払い続ける必要が出てきて、支払いが滞れば給与などを差し押さえられることもあります。任意であれば、相場に近い価格で売りに出すことができるため、その分ローン残高も減りやすく債権者への返済もスムーズに行えるようになります。しかも、競売にかけられることが決まると、落札者が決まるまでの間も日々遅延損害金というものが発生します。1日当たり14.6%もかかってしまうので、落札者がなかなか現れなければ雪だるま式に債務が増えてしまうのです。ただでさえ少なくなる売却益からさらに債務が引かれることになるので、せっかく家を手放すのにメリットがほとんど無くなってしまう可能性もあります。任意であればこういった損害金などは発生せず、債務者が費用を負担したり債務を追加されたりすることはありません。

 

また、家を手放した事実を近所の人に知られることなく手続きを終えられる点も魅力の一つです。
もし競売に出された場合、裁判所の担当者が自宅調査に訪れたり、競売物件として情報が開示されてしまうため誰でもその事実を知ることができてしまいます。一般的に競売にかけられるというのはマイナスイメージが強く、ご近所から同情や好奇の目で見られてしまう可能性もあるので避けたいと思っている債務者がほとんどです。任意であればごく一般的な売却の手続きとなり、何も言わなければご近所に支払いが難しいことなども知られずに済みます。

 

さらに、債権者との話し合い次第では売却や引っ越しなどに関して融通を効かせてくれることもあり、債務者が希望する日時まで引越しを待ってくれたり引越費用も売却費用の中から捻出してくれることもあります。強制的に行われる競売ではこういった融通はまず付けてもらえず、裁判所が決めた通りに引越しをしたり費用も自分たちで用意しなければなりません。強制執行という意味合いが強いので、それまでごく普通に生活してきた人にとっては精神的なストレスが大きくなることもあるでしょう。こういった精神面でのダメージを考えても、少しでも早く任意で手続きをしてしまったほうがメリットが大きいと言えます。

 

このようにメリットの多い任意売却ですが、いつでも自由に手続きを進められるわけではありません。
本来支払うべき住宅ローンを3ヶ月から5ヶ月ほど滞納してしまうと、債権者から一括返済を督促する書類が届くようになります。任意の手続きに入るにはこの書類が届くのを待つ必要があり、支払いが無理そうだからといってすぐに手続きをすることはできません。もし債務者が一括返済することができない状況であれば、債権は代位弁済によって債権者から保証会社に移ることになります。こうなると債務をスムーズに回収するために競売の申し立てを行い、強制力のある法的手段に打って出るようになるのです。自宅調査が入ったり新聞などの情報誌に競売が開始される旨が記載されてしまうなど手続きが進んでしまうと、もう任意の手続きに移ることは不可能になります。もし任意を行いたい場合は、このように競売の手続きが進んでしまう前に素早く行動する必要があります。
手続きが可能になるのは、3ヶ月から5ヶ月支払いを滞納して代位弁済に移った段階から、競売が開始される前日までということになります。一般的には、代位弁済から約半年ほどすると競売が開始されるので、その間に任意売却の手続きを済ませて売却までしてしまうことが必要です。債権者との交渉が必要になるので、債務者が自分で全て行うのは至難の業です。任意売却の実績が豊富な不動産会社やコンサルタントなどを探し、プロの協力を得て行ったほうが成功しやすいと言えます。